FXトレードにおいて通貨の特徴を知っておくことは非常に重要です。特にメジャーな通貨ペアとなっているユーロドルやドル円は世界でも1,2を争う取引シェアを誇ります。取引量が多い通貨ペアは特徴として、流動性が高くなり値動きは小さくなります。このように値動きが小さい通貨ペアは市場の方向性を図る上でも重要な指標となります。
今回は、FXトレードをスタートする際にどんな通貨ペアを選べばよいのか、なかでも取引流通量も多いドル円の特徴について見ていくことにしましょう。
通貨ペアという考え方
FXトレードをスタートしたら通貨ペアをどれにして取引したらよいかにまずは悩むと思います。FX会社はメジャーなものからマイナーなものまでさまざまな通貨ペアが選べるようになっています。通貨ペアとは、取引を行う2か国の通貨の組み合わせを言いますが、ドルを買ってドルを売る、というのではなく、どちらかの通貨を買えばどちらかの通貨を売るという行為となるので、必ずセットとなっている訳です。
この通貨ペアは基軸通貨と決済通貨というものから成り立っており、左に記載されている通貨が「基軸通貨」、右に記載されている通貨が「決済通貨」となっています。たとえばUSD/JPYだと基軸通貨は米ドル、決済通貨は日本円ということになります。
さて、通貨にはメジャー通貨とマイナー通貨というように国際的に持つ通貨かどうかで分けられます。
メジャー通貨に該当するものとしては、「米ドル」「日本円」「ユーロ」「英国ポンド」「スイスフラン」「カナダドル」「豪ドル」などがあります。
一方マイナー通貨に該当するものには、「南アフリカランド」「香港ドル」「シンガポールドル」など多数あります。
メジャー通貨の特徴としては、取引量が多く流動性が高くなり、スプレッドは狭くなります。マイナー通貨の場合には、取引量が少なく流動性が低くなるため、スプレッドが広めです。
また米ドル関連では、ストレート通貨とクロス通貨といったものがあります。ストレート通貨は、米ドルと直接的に取引を行う通貨ペアを言います。クロス通貨は米ドルが含まれない通貨ペアで、米ドルを介したトレードが行われるものを言います。
どの通貨ペアがおすすめなのか?
FX取引において、どの通貨ペアを選べば勝つ確率が高くなるのか?といったことは正直分かりません。メジャー通貨が絡んだ通貨ペアを選択したからといって安定しているかと言えば、世界情勢の変化に伴い、大きく下落してしまうこともあります。反対にマイナー通貨ペアが絡んだ通貨ペアでも好条件が重なれば、大幅な利益を出すことがあるかもしれません。とはいえ、多くの方が自分に馴染みのある通貨を絡めた通貨ペアをベースに、取引を行うのではないかと思います。マイナー通貨は情報も少ないのでFX初心者が手を出すべきではありません。
そんな中、どんな通貨ペアがよいかというと、「スプレッドが狭い」「取引量が多い」「ボラティリティがそれなりにある」通貨ペアがベストです。通貨ペアはたくさんあればいいというものではなく、多くても2~3通貨ペアにとどめながら様子を見ていくのが良いでしょう。初心者はまず1つからスタートするのが無難です。
スプレッドが狭い通貨ペア
スプレッドが狭いということは利益を出すにあたって必須な条件です。どんなにスプレッドが広ければコストが増えるだけとなってしまいますので、一般的にスプレッドが狭いものを選択しましょう。
取引量が多い通貨ペア
取引量が最も多い通貨ペアはユーロ/ドルのペアです。この通貨ペアは1日当たりの取引量は非常に多く、流動性が高く、スプレッドが狭くなります。流動性が高くてスプレッドが狭いとなると市場に影響を与えることなく大きな取引を行えるとあってトレーダーに人気となります。
その次に人気となっているのが米ドル/円のペアです。こちらも流動性が高くスプレッドが狭いので人気です。日本人であれば最も馴染みのある通貨の組み合わせになりますので、まずこの米ドル/円の組み合わせは外すことはできないでしょう。その後に、英国ポンド/米ドルの通貨ペア、豪ドル/米ドルの通貨ペアなどが人気となっています。
ボラティリティがそれなりにある
ボラティリティとは、価格変動を表す言葉で「ボラティリティが大きい」という場合には、価格変動が大きいことを差し、「ボラティリティが小さい」という場合には、価格変動が小さいことを指します。一般的にはボラティリティが大きい商品はリスクが高いとされ、ボラティリティが低い商品はリスクが低いとされています。ボラティリティは高すぎても低すぎても良くないので、ほどほどにあるのがベストです。
ボラティリティが安定しているのはユーロ/ドルといった通貨ペアです。
おすすめの通貨ペア
これらを踏まえておススメの通貨ペアを選ぶとしたらどのようになるでしょうか?
- ドル/円
- ユーロ/ドル
- ユーロ/円
がおすすめです。
ドル/円
ドル/円の通貨ペアは初心者でも経験者でも取引しやすいので、おすすめです。ドル/円の通貨ペアは日本では最も取引される通貨ペアとなっており、ボラティリティが適度にある点も人気の理由です。スプレッドが狭く利益を出しやすいのでまずはドル/円からスタートするのがベストでしょう。アメリカは世界ナンバーワンの経済大国でもありますし、アメリカの行動如何によって値動きが活発になることは必至です。また、アメリカ関連のニュースは日本にも入ってきやすいので、経済情勢を確認しながら取引できるのは安心です。
ユーロ/米ドル
ユーロ/米ドルは世界で最も取引されている通貨ペアですので、流動性が高いですし、値動きも激しくありません。欧州圏は日本と反対側であることから、ロンドン市場が開く時間帯(夕方4時ごろ)からは市場の動きが活発化してきます。大きな利益につながるかというと難しい側面を持ちますが、トレンドが出ると長期に渡って続く傾向があります。
ユーロ圏およびアメリカの経済情勢によって値動きが激しくなることから、日々ニュースから目を離せないのがユーロ/米ドルの通貨ペアの特長と言えるでしょう。
ユーロ/円
米ドル以外の組み合わせを検討している方には、ユーロ/円の組み合わせもおすすめ。トレンドがでやすいことや、値動きもそれほど激しくないので、FX初心者でも十分対応できます。距離や関係性の遠さから欧州経済の情勢はアメリカに比べると多少情報入手が難しい部分あるかもしれません(言語的な問題含め)が、それでも世界情勢に気を配っておけばそれほど大変ではないでしょう。ユーロ圏内ではドイツやフランスあたりの経済動向をしっかりと押さえておきましょう。
まとめ
ドル円の通貨ペアは、値動きが小さいものの相場の方向性(ボラティリティ)も激しくないので安定して取引が可能です。リスクの少ない通貨ペアを使ってまずはトレードになじむことからスタートし、徐々に通貨ペアを増やしたり、マイナー通貨に挑戦してみると良いでしょう。特に一攫千金を狙うのであれば、メジャー通貨だけでは正直厳しいものもありますので、しっかり相場の動きを確認・学習していくことが必要です。