FXのピボット分析だけでは勝てない訳

FXというのはシンプルなようで、とても奥深いものです。
さまざまな情報を収集していく必要がありますし、その中でも分析も欠かせません。
分析にもいろいろなものがあるのですが、ピボット分析で利益を狙っているという方も多いのではないでしょうか?
ただ、その一方でピボット分析では勝てないというケースも少なくありません。
今回はピボット分析とはどのようなものなのか、またピボット分析で勝てない理由は何なのかについてお話ししていきたいと思います。

そもそもピボット分析とは?

そもそもピボット分析とはどのようなものなのかというところからお話ししていきましょう。
「pivot」という表記で「ピボット」と読むのですが、このピボットは前日の高値や安値、終値の値動きの平均をもとに当日の相場の動きをラインで予想するテクニカル指標のことを指します。
これを活用して分析していくのがピボット分析です。
J.W.ワイルダー (John Welles Wilder.Jr) 氏によって開発されたもので、J.W.ワイルダー氏はピボットの他にもRSI(相対力指数)やパラボリックなどの指標を開発しています。
ピボットでは前日の価格をもとにデータを出していくことになりますので、スキャルピングやデイトレードのような短期売買に強いと言えるでしょう。
しかも、ピボットの計算式は世界共通です。
FXで使う指標の中には、フィボナッチなどのように人によって値が変わるものもあります。
人によって値が変わるような揺れがない分、信頼性が高いのも魅力です。
こういった魅力に加えて、サポレジとしても機能しやすい部分もあるため、ピボット分析は比較的人気があるのでしょう。

ピボット分析で理解しておくべき7本線

FXでピボット分析をおこなっていく上では7本線についてきちんと理解しておかなければいけません。
ピボットは7本の線で示されるのですが、上からそれぞれ以下のような名前がついています。

  • レジタンスライン3(R3)
  • レジタンスライン2(R2)
  • レジタンスライン1(R1)
  • ピボットポイント(PP)
  • サポートライン1(S1)
  • サポートライン2(R2)
  • サポートライン3(R3)

ちょうど真ん中の線はピボットポイント(PP)と呼ばれており、ピボットポイント(PP)の上に来るのか、それとも下に来るのかで上げトレンドなのか、下げトレンドなのかを判断していくことができます。
ピボットポイント(PP)を挟むようにあるサポートライン1(S1)とレジスタンスライン1(R1)は、前の日と同じくらいの変動があった場合の範囲の目安になります。
サポートライン1(S1)とレジスタンスライン1(R1)の外側にあるサポートライン2(S2)とレジスタンスライン2(R2)は、前日よりもさらに大きな変動があったとして、それがサポートライン1(S1)とレジスタンスライン1(R1)の線を超えていくならこれくらいの範囲だろうという目安になります。
そして、一番外側にあるサポートライン3(S3)とレジスタンスライン3(R3)は、予想外の大きな変動があったとして、それがサポートライン2(S2)とレジスタンスライン2(R2)2の線を超えるならここまでだろうと予想される範囲の目安になります。
サポートライン3(S3)とレジスタンスライン3(R3)はそれぞれ下げトレンドと上げトレンドが終了するポイントにもなります。

7本線の計算の仕方

先でも触れましたように、ピボットは前日の高値や安値、終値の値をもとに算出されます。
当然、7本線にもそれぞれの算出方法があります。
具体的な算出方法は以下の通りです。

  • レジタンスライン3(R3):レジスタンスライン1(R1)+(前日の高値-前日の安値)
  • レジタンスライン2(R2):ピボットポイント(PP)+(前日高値-前日安値)
  • レジタンスライン1(R1):ピボットポイント(PP)+(ピボットポイント-前日安値)
  • ピボットポイント(PP):(前日の高値+安値+終値)÷3
  • サポートライン1(S1):ピボットポイント(PP)-(前日の高値-ピボットポイント)
  • サポートライン2(R2):ピボットポイント(PP)-(前日高値-前日安値)
  • サポートライン3(R3):サポートライン1(S1)-(前日の高値-前日の安値)

繰り返しになりますが、この計算式は世界共通です。
どこでFXをやるとしても、ピボット分析をおこなっていくのであればこの計算式さえあればOKです。

ピボット分析の使い方

では、FXにおいてピボット分析をどのように使っていけばいいのでしょうか?
基本的にピボット分析では、相場やエントリーポイントの見極めをおこなっていくことになります。
例えば、7本の線の真ん中にあるピボットポイント(PP)線を中心にチャートが線の上にあれば買いポジションを持つ準備をして、逆に線よりも下にあれば売りポジションを持つ準備をするといった具合です。

ピボット分析で勝てないのはなぜ?

FXでピボット分析を活用しているのに、勝てないという方は少なくありません。
とても信頼性の高いピボット分析なのですが、なぜピボット分析で勝てないのでしょうか?
ピボット分析で勝てない理由をいくつかピックアップしていきたいと思います。

他の指標と組み合わせていない

FXでピボット分析を活用しているのに勝てないという場合、それはピボット分析だけに依存しているからかもしれません。
そもそもピボット分析というのはそれさえ使っていれば勝てるという類のものではありません。
移動平行線やフィボナッチなど他の指標と組み合わせてこそ、より勝てる可能性が高まっていくのです。
ピボット分析に限らず、いろいろな指標と組み合わせて多角的な視点を持つことが大切です。
もしピボット分析だけで勝負していたのであれば、是非他の指標と組み合わせて再チャレンジしてみましょう。

ピボット分析に向かない長期の取引をしている

ピボットでは前日の価格をもとにデータを出していくことになりますので、ピボット分析はスキャルピングやデイトレードのような短期売買でこそより強みを発揮できると言えます。
逆に、長期の取引になってくるとピボット分析はその強みを発揮できません。
はっきり言ってしまうと、ピボット分析は長期の取引には不向きなのです。
ピボット分析で勝てない場合、ピボット分析に向かない長期の取引をしている可能性があります。
ピボット分析を使っていくのであれば短期の取引に切り替えていくか、長期の取引にこだわるのであればピボット分析以外の方法で分析をおこなっていくべきでしょう。

相場が急激に変動しているときや取引量の少ないときに使っている

ピボット分析で勝てない場合、相場が急激に変動しているときや取引量の少ないときに使っている可能性も考えられます。
これはピボット分析に限ったことではないのですが、基本的に相場が急激に変動しているときや取引量の少ないときというのはいつも通りの分析がほぼ無意味になります。
例外だと考えるべきですし、そもそも相場が急激に変動しているときや取引量の少ないときには取引そのものを控えたほうがいいでしょう。