FXにおいては、さまざまなトレードの手法が存在します。
その中でも注目を集めているのが平均足を使ったスキャルピングトレードの手法です。
なぜ注目を集めているのかというと、やはりその勝率の高さです。
ここでは、そんな平均足を使ったスキャルピングトレードの手法について詳しく解説していきたいと思います。
平均足とローソク足
平均足を使ったスキャルピングトレードの手法の解説に入る前に、まずは平均足とローソク足というものについて理解を深めておきましょう。
平均足というのは、「高値」「安値」「始値」「終値」の4本値の平均値を利用して、ローソク足を描画するチャートの種類のことを指します。
平均足とローソク足は形がよく似ているのですが使っている「始値」と「終値」の計算方法が異なりますので、似て非なるものです。
それぞれが意味するところをまとめると以下のような形になります。
平均足
陽線 | 始値よりも終値のほうが高い |
陰線 | 始値よりも終値のほうが低い |
始値 | ひとつ前の足の始値と終値の平均値 |
終値 | 4本値の平均値 |
高値 | もっとも高い値段 |
安値 | もっとも安い値段 |
ローソク足
陽線 | 始値よりも終値のほうが高い |
陰線 | 始値よりも終値のほうが低い |
始値 | 最初についた値段 |
終値 | 最後についた値段 |
高値 | もっとも高い値段 |
安値 | もっとも安い値段 |
平均足とローソク足では始値と終値の意味するところが違うわけですが、それによって平均足ならではの特徴が出てきます。
というのも、平均足においてはローソク足と比べたときに
「陽線・陰線が連続しやすい」
「トレンドがわかりやすい」
という特徴が出てくるのです。
平均足は一目で直感的にトレンドの方向が色で見分けられるようになりますので、瞬時に相場が入れ替わっていきスピード感が重視されるスキャルピングと相性がいいのです。
平均足をチャートに表示させる手順
では、平均足を実際にチャートへ表示させるためにはどのような手順を踏んでいけばいいのでしょうか?
MT4/MT5の設定をする必要があるのですが、インジケーターの「Heiken_Ashi」を選択しましょう。
そのまま何も選ぶことなく、「OK」ボタンをクリックします。
ただ、このままだとローソク足と平均足が二重でチャートに表示されてしまうことになります。
そのため、元のチャートはローソク足からラインに変えておきましょう。
これで平均足とラインだけがチャートに表示され、とても見やすくなります。
平均足を使ったスキャルピングトレードの手法
平均足を使ったスキャルピングトレードにおける基本的な考え方は「押し目買い」「戻り売り」の順張りトレードです。
「押し目買い」「戻り売り」というのは、強いトレンドが発生している状態でそのトレンドの方向とは逆に、一時的に実勢レートが動いた瞬間を狙って元のトレンドの方向に戻る動きに乗っかる形でポジションを持つというトレード手法のことを指します。
「トレンドに逆らわない順張りだからこそ勝率が高い」
「一時的にトレンドと逆方向に動いて元に戻る間のpipsを稼ぐことになるため、1回の勝ち幅は小さい」
といった特徴があります。
これらを踏まえて、平均足を使ったスキャルピングトレードにおけるポイントというものを改めて考えると以下の3つになります。
「平均足を使うことで、トレンドの連続を目視で確認できるようにする」
「押し目買いと戻り売りを使うことで、勝率を高める」
「単純移動平均線(SMA)を使ってエントリーポイントを探る」
「単純移動平均線(SMA)」というのも、いわゆる見える化です。
20SMA:ローソク足20本分の終値の平均値をつないだ線
35SMA:ローソク足35本分の終値の平均値をつないだ線
50SMA:ローソク足50本分の終値の平均値をつないだ線
75SMA:ローソク足75本分の終値の平均値をつないだ線
の4本の移動平均線を利用していくのですが、それぞれの線に違う色をつけるようにしてください。
それぞれの線に違う色をつける際にも、MT4/MT5の設定が必要になります。
インジケーターから「Moving Average」を選択して、色はわかりやすければ何色でもいいのでとにかく色がかぶらないように設定をしてください。
平均足を使ったスキャルピングトレードでは、
50SMAが右上に伸びている→上昇トレンド
50SMAが右下に伸びている→下降トレンド
といった判断をしていきます。
また、その中で
20SMA、35SMA、50SMA、75SMAの4本が交差していない状態、平行の状態→トレンドが強い
と判断して、エントリーの準備に入ります。
押し目買いや戻り売りというのは、強いトレンドのときに成果が出るものでもあります。
そのため、20SMA、35SMA、50SMA、75SMAの4本が交差していないことでトレンドの強さを確認しなければいけないのです。
これらの条件の中で、
上昇トレンド発生しているときには
35SMAを平均足が割り込んで、再び35SMAを超えて上昇したら「買い」エントリー
下降トレンド発生しているときには
35SMAを平均足が割り込んで、再び35SMAを超えて下降したら「売り」エントリー
という考え方でトレードをおこなっていくことになります。
平均足を使ったスキャルピングトレードのメリット
では、平均足を使ったスキャルピングトレードにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
たくさんのメリットがありますので、こちらも詳しく見ていきましょう。
勝率が高い
メリットとして第一に挙げられるのは、やはり勝率の高さです。
平均足を使ったスキャルピングトレードの検証をしている方はとても多いのですが、勝率は軽く70%を超えている印象です。
勝率が高ければ高いほど、初心者の方でも安心して始めることができます。
簡単な割に結果が出やすいのは、ありがたい限りです。
トレードの機会が多く、経験が積める
スピーディーなスキャルピングトレードなので、必然的にトレードの機会も多くなります。
その分、経験を積むことができます。
平均足を使ったスキャルピングトレードに限らず、FXトレードにおいては経験というものが重要になってきます。
必然的に経験を積んでいくことができるというのは、大きなメリットです。
見える化で情報が見やすくなる
平均足を使ったスキャルピングトレードでは見える化によって、視覚的に情報がとてもわかりやすくなります。
そのため、エントリーポイントも明確になります。
見える化によってエントリーポイント以外のエグジットポイントなども探りやすくなりますので、トレードにも有利に働いてくれます。
わかりやすくて意外に簡単
慣れるまでは大変な部分もあるかもしれませんが、基本的に平均足を使ったスキャルピングトレードというのはわかりやすく簡単な手法として知られています。
実際にやってみると、意外に簡単なのでモチベーションも上がってくるのではないでしょうか?
平均足を使ったスキャルピングトレードのデメリット
では、最後に平均足を使ったスキャルピングトレードのデメリットをひとつ挙げておきたいと思います。
勝ち幅が小さい
平均足を使ったスキャルピングトレードは結局のところスキャルピングトレードになりますので、勝ち幅は小さくなります。
損も小さくなる分、小さい利益を積み重ねていく地道な作業になります。