両建てとは、買い(ロング)ポジションと売り(ショート)ポジションの両方保有すること。FXトレードにおいて両建ての手法が注目されるのは、レートがどのように変化したとしても、片方のポジションの損失をもう一方の利益でカバーすることができるためです。
しかし、当然ながら「損失によって利益が減ってしまうこと」もあります。そのため、どのタイミングで両建てを使うかを見極めるのが非常に難しいというデメリットがあることも事実です。また、何の戦略もないまま両建てをしたところであまり効果は期待できず、他の手法との組み合わせを構築しなければならない点もネックと言えるでしょう。
そこで今回は、こうしたメリット・デメリットも踏まえたうえで、FXにおける「両建て必勝法」について解説するとともに、具体的な手法を2つご紹介していきたいと思います。
両建ての必勝法
では早速、FXにおける「両建ての必勝法」からチェックしていきましょう。
今回ご紹介する必勝法は以下の2つです。
- スワップポイントさや取り
- 両建てナンピン
1つずつ詳しく説明していきましょう。
スワップポイントさや取り
1つ目は、スワップポイントさや取りを取り入れた必勝法です。
両建てをすると、ロングポジションのスワップポイントおよびショートポジションのスワップポイントはマイナスになるため、ポジションを持っているだけで損失が発生しやすくなってしまいます。ただし、非常に稀なケースではありますが、両方のポジションのスワップポイントの合計がプラスになることもあり、その場合にはポジションを保有しておくだけで利益が発生します。これをFXでは、「スワップポイントのさや取り」と言います。
つまり利益を発生させるためには、ロングポジションのスワップポイントもショートポジションのスワップポイントも両方プラスとなる通貨を探すことが重要になるわけです。とはいえ、FXに関する知識が少ないトレード初心者が両方のスワップポイントがプラスになる通貨を探すのは至難の業なので、リスクは否定できません。しかし、プラスになる通貨さえ探し出すことが出来ればスワップポイントで稼ぎ続けることも可能なので、興味のある人はチャレンジしてみるのも良いでしょう。
スワップポイントさや取りの手順
① スワップポイントさや取りが可能な通貨ペアを探す
② 同じ価格・同じ量で両建てを行う
③ スワップポイントを稼ぐ
④ スワップポイントを確認する
⑤ ポジションを決済する
同じ価格・同じ量にて両建てを行うことの最大のメリットは、いつ決済してもプラスマイナスゼロになることができ、リスクを大幅に下げることが出来る点にあります。ただし、スワップポイントは常に変化するのでチェックを怠るのは禁物です。ポジションを決済するタイミングは、「スプレッドが狭い時」または「スワップポイントがマイナスになった時」ですので、時期を見誤らないようにしましょう。
一見メリットが多く見える「スワップポイントさや取り」ですが、残念ながらデメリットもありますので、ご紹介しておきます。
スワップポイントさや取りのデメリット
- それほど大きな利益は得られない
- そもそも両建てができない業者がある
それほど大きな利益が得られない
FXトレードでは、レバレッジをかければスワップポイントも上がるというのが通常の法則です。しかし、スワップポイントだけで大儲けするというのは、かなり難易度が高いと言って過言ではありません。もしあなたのFXトレードをする目的が「大きな儲けを出すこと」「莫大な利益を上げること」だとしたら、スワップポイントさや取りにこだわるよりも、他の戦略を取ったほうが圧倒的に勝率は高いです。そのため、この手法を取り入れるかどうかは、自分のトレードスタイルに応じて決めることをおすすめします。
そもそも両建てができないFX業者がある
FXトレーダーの中には「両建て必勝法にチャレンジしてみたい」と考える方は少なくありません。そんな時「どこのFX業者でも両建てが出来るものだ」と思っていたら、痛い目をみることがあります。なぜなら、FX業者の中には「そもそも両建てを禁止しているブローカー」も多数あるからです。両建てを目的としたトレードを考えている場合には、必ず口座開設をする前にFX業者の規定をしっかり調べておきましょう。
両建てナンピン必勝法
2つ目は、両建てナンピン必勝法です。
この方法の手順は、以下の通りです。
① 99円でロングポジションを保有
② 98円に下がったところで「98円のショートポジション」と「98円のロングポジション」を保有
③ 97円に下がったところで「97円のショートポジション」と「97円のロングポジション」を保有
④ 96円に下がったところで「96円のショートポジション」と「96円のロングポジション」を保有
⑤ X円に下がったところで「x円のショートポジション」と「x円のロングポジション」を保有
※両建て必勝法は2以降のプロセスを指します
両建てナンピン必勝法において、1番(99円のロングポジション)だけは相殺することができません。98円に下がったところで同額のショートポジションを保有し、トータルでプラスになるタイミングを待ちます。プラスになったところでうまくポジションを決済することができれば利益を出すことが可能です。
ただし、デメリットもありますので確認しておきましょう。
両建てナンピン必勝法のデメリット
- 手順が多くて煩雑
- レンジ相場でなければ難しい
手順が多くて煩雑
両建てナンピン必勝法を使う場合には、同時に大量のポジションを持つことがほとんどです。そのため大量のポジションを管理する必要があり、ややこしさや煩雑さを感じるトレーダーは多いとみられます。手順が多いことによりミスをするリスクも上がってしまうため、多数のポジションを管理しきれない人には不向きな手法と言えるでしょう。
レンジ相場でなければ厳しい
ナンピンを利用した両建ては「レンジ相場でないと難しい」という点もネックになります。FXでは、相場が一方的に上がったり下がったりし続けると、最初に取ったポジションはロスカットされやすくなるという特徴があります。よって、細かな上下が連続するレンジ相場でなければ両建てナンピン必勝法を使うのは難しいと言わざるを得ません。
両建て必勝法はFXトレードで本当に使える?
ここまで、FXにおける両建ての必勝法として2つの方法を紹介してきました。
とはいえ、両建てナンピン必勝法はデメリットが大きいため、実用性があるのは「スワップポイントさや取り」のみと言えるでしょう。ただしスワップポイントさや取りも、トレーダーによっては「大した利益が見込めない」という点が大きなデメリットとなるため、万能ではありません。
とはいえ、FXトレードに「絶対に勝ち続けられる必勝法」「永遠に利益が出る成功法則」が無いこともまた事実です。どの手法にも一長一短がありますので、自分のトレードスタイルに合わせて、「さまざまな手法を組み合わせてみる」「あえて必勝法を使わない選択をする」といった決定を下すことをおすすめします。
まとめ
今回は、FXにおける両建て必勝法のうち、「スワップポイントさや取り」と「両建てナンピン手法」の2つをご紹介してきました。
この2つのうち、リスクの少ない手法を選択するのであれば「スワップポイントさや取り必勝法」がオススメではあるものの、ネット上にはこれ以外の手法や新たな組み合わせなどを取り上げている記事も少なくありません。
「必勝法」「儲かる」などと聞くと、ついつい手に取ってみたくなるものですが、あくまでも自分のトレードスタイルに沿った手法を取り入れることが重要だということを忘れないようにしましょう。