FX 勝ち逃げ

FXトレードにおいて、よく聞く言葉の一つに「勝ち逃げ」があります。しかし、「聞いたことはあってもどんな意味を持っているのかよく分からない」という人も少なくないでしょう。

そこで今回は、FXトレードの用語の中で頻繁に登場する「勝ち逃げ」について詳しく解説していきます。

FXにおける勝ち逃げとは?

まずは、FXトレードにおける勝ち逃げとは一体どういうものなのか、その説明からしていきます。

そもそも一般論として、勝ち逃げという言葉には「勝ったらさっさと逃げる」という意味がありますが、FXトレードでもその意味はほとんど変わりません。

ちなみに、FXトレードにおける勝ち逃げには以下のようなプロセスがあります。

①前もって取引基準を決めておく
②基準に達したら利確して利益を確保する

この2段階のステップのことを、FXでは「勝ち逃げ」と呼んでいるのです。
一方で、FXにおいては「負けたらさっさと逃げる」ということも忘れてはなりません。含み損が自分で決めた基準に達した場合には、迷うことなく損切りすることをおすすめします。

勝ち(負け)逃げは簡単にできる?

FXで勝つための最も重要なポイントは、「自分で作ったルールに則って利益を確定させたり、損切をしたりすること」。
一見簡単そうに見えますが、利益確定や損切りのルールを決めることはできたとしても、勝ち逃げや負け逃げを実際にすることは非常に難しいものです。

FXトレーダーによくあるミスとしては、

・利益確定の基準に達していないのに売ってしまった
・損切のラインに達していないのに粘ってしまい、結果的にさらなる損出を生んでしまったといったものが挙げられます。

具体的にどういう事なのか見ていきましょう。

利確ラインに達していないのに売ってしまった場合

このケースは、端的に言えば「弱気になってしまい、その結果早めに売ってしまった」という場合になります。勝ち逃げを強く意識し過ぎてしまうと、このような行動に出てしまうトレーダーは少なくありません。

しかし、こうした短絡的な判断はFXトレードにおいて大きな致命傷となります。なぜなら、FXは必ず勝てる勝負ではなく、「負けがあっても、トータルで勝つ」のが基本となっているため。つまり、勝ち逃げを行う際に、利益が思っていた額よりも小さければ「結果的には負け」ということになります。

損切りラインに達したのにさらに粘ってしまった場合

人間は誰しも、「ミスから目をそらしたい」「悪いことがあってもきっと良い状況になるだろう」と思いたがる生き物です。しかしFXトレードでは、ミスをミスとして認めることが出来ず、「もう少し我慢してみよう」「あと少し粘ってみよう」という気持ちが出てきてしまうケースも多々あります。

とはいえ、損切の本質に立ち返ると「そもそも相場が下がっているからこそ損切をする」わけであり、当然ながらその後も下がり続ける可能性のほうが高いです。そのため、冷静に考えれば「損切りをしなくて正解だった」という結果になることは極めて稀。ずるずると粘っていると、そのまま致命的な損失が発生してしまう場合もありますので、注意が必要です。

FXにおいて勝ち(負け)逃げを絶対に行うためにはどうしたらいい?

ここからは、トレードにおけるルールや基準がすでに定まっており「あとは勝ち(負け)逃げを実行するだけの段階」となっているトレーダーに向けて、何をすべきなのかを詳しく解説していきます。

①安易な発想を捨てる

FXで安定した利益を出す上で絶対に止めるべきことは、「ルールや基準には当てはまっていなかったけれど、なんとなくプラスになったからこれでいいや」という安易な発想です。それはあくまで結果論にすぎず、また同様の結果が得られるとは限りません。だからこそ、ラッキーな結末に至ったときは「結果的にうまくいっただけだ」というくらいに軽く考えておくのがよいでしょう。

FXにおいて「一か八かの判断」は非常に危険です。特にFX初心者が基準やルールを守らない判断をした結果、幸運にも利益を出してしまうと、あたかも成功したかのような錯覚に陥る可能性が高いので気を付けましょう。FXで勝ち(負け)逃げをするなら、「ルールを守れなければ全て失敗」だと考えるようにしましょう。

②勝ち逃げが完了したらチャートのチェックはしない

自分ルールでFXにて勝ち(負け)逃げを続けていると、「あのとき我慢していれば・・(もっと利益が出ていたかも)」「もっと粘っていたら・・(これほど損はしなかったかも)」といった「たら・れば」の思考になりがちです。こういった思考に陥ってしまうと、いつまでも妄想の世界から抜け出せなくなり、結果的に精神的なストレスを抱えてしまうことにもなりかねません。

そのため、勝ち(負け)逃げをしたら、その後のチャートはチェックしないようにすることも手です。もちろん、トレードのスタイルによっては「完全に見ない」ということはできないかもしれませんが、確実に勝ち(負け)逃げをするならば一つの方法として知っておいて損はないでしょう。

③勝ち(負け)逃げが完了したら、気分を変えてメンタルリセットする

FXの場合、基本的には1日数回程度トレードすることになります(デイトレードの場合。スイングトレードの場合は週1~2回)。1日何回もトレードをするため、なかなか気分を変えたりリフレッシュをしたりするのは難しいかもしれませんが、勝ち(負け)逃げした場合には、しっかりリフレッシュしてから次のトレードにチャレンジすることが重要です。

たとえば、世界的に有名なプロトレーダーは、出た利益で「高級品を買う」「旅行に行く」といったイベントを取り入れて、メンタルリフレッシュを行っているとか。このように、美味しいものを食べる、自分へのプレゼントを贈るといった豪華なご褒美を用意しておくことは、メンタルを保つためにも大切なことです。利益が出たタイミングを見計らって、うまく取り入れてみましょう。

勝ち(負け)逃げをするなら、絶対に「ライン」を遵守せよ

ここまで利確・損切の話をしてきましたが、FXで確実に勝ち(負け)逃げ(負け逃げ)」をするなら、絶対に守るべきなのは自分で設定した「ライン(基準)」です。

たとえば、

  • 1日のうちに発生しても許容できるマイナス最大値
  • 1回のトレードで発生しても許容できるマイナス最大値
  • 1日に発生させてもよい最大利益

などです。

マイナス最大値を設定するのはなんとなく分かるけれど、なぜ最大利益も決めておく必要があるの?と思う方もいることでしょう。その理由は、「1日で発生させていい最大の利益を突破しようと努力すること=トレードを深追いすること」になるからです。利益を追い求めてずるずると取引をした結果、逆に損出が出てしまったということも大いにあります。

基本的にFXトレードは「続ければ続けるほど負けるもの」ですから、ある一定の利益を出したら「すぐに逃げる(勝ち逃げする)」ことを徹底しておくと良いでしょう。安易に「今日はまだ利益が出そうだから粘ってみよう」と考えるのは愚行以外の何物でもありません。

まとめ

今回は、FXにおける勝ち(負け)逃げの方法について徹底的に解説していきました。

勝ち(負け)逃げを確実にやる方法は、

①逃げるラインを決める
②ラインを遵守する(確実に実行する)

という、たった2つだけ。

しかし、トレードの基準を決めるのは比較的簡単でも、実行するのはかなりの精神力が必要です。そのため、「チャートを見すぎない」「リフレッシュを適度に取り入れる」といった方法を取り入れて、FXトレードとのうまい付き合い方を少しずつマスターしていくようにしましょう!