仮想通貨(暗号通貨) スプレッド

仮想通貨(暗号通貨)とは世界中で取引可能な世界共通の資産です。仮想通貨と言われるように「仮想」なので、紙幣または硬貨といった実態を持たず、電子データのみでやりとりされているものとなっています。仮想通貨(暗号通貨)といってもかなりたくさんの銘柄があり、なかでも「ビットコイン(BTC)」と呼ばれるものが有名です。ビットコイン以外にもたくさんの銘柄があると言われていますが、それらすべての総称がアルトコイン(altcoin)と呼ばれるものとなっています。アルトコインの中でも特に有名なものには、「イーサリアム(ETH)」があります。それ以外にも「エイダコイン(ADA)」、「リップル(XRP)」などがあります。

さて、仮想通貨(暗号通貨)を販売所で取引する際には、スプレッドというものが発生します。このスプレッドとはいったい何なのでしょうか?

一般的には購入する際の価格を『Ask』、売却する際の価格を『Bid』と呼びますが、この2つの価格差のことをスプレッドと言います。この差額がユーザーにとっての損失、逆に言うと仮想通貨(暗号通貨)取引所の利益となってくるためため、見えない手数料とも称されているようなものとお考えください。

まずは、仮想通貨の売買方法となる『販売所』と『取引所』について見ていくことにしましょう。

販売所と取引所の違い

仮想通貨を仮想通貨(暗号通貨)業者にて売買するときには一般的に、『販売所方式』と『取引所方式』といった2つの取引方法があります。

簡単にまとめると以下のようになっています。

販売所方式 取引所方式
取引相手 業者が相手 トレーダーが相手
メリット 必ず売買可能

自分のタイミングで売買可能

画面が分かりやすい

自分が購入したい価格で仮想通貨(暗号通貨)を購入できる

手数料が安い

デメリット 手数料が高い
スプレッドがある
初心者に不向き

自分のタイミングで売買できない

取扱銘柄数が少ない

手数料 無料の場合も 安い
スプレッド 広い なし

販売所方式ですが、これは業者を相手に仮想通貨(暗号通貨)を売買するものとなっています。つまり、業者より仮想通貨(暗号通貨)を購入し、価格が上昇したら業者に売ってその差額を利益とします。
もう一方の取引所ですが、トレーダーを相手に仮想通貨(暗号通貨)を売買するものとなっています。取引板と呼ばれる画面を使ってトレードを行っていきます。

仮想通貨(暗号通貨)の取引に際し、重要となるのがスプレッドです。そのスプレッドを抑えることができれば利益が増えることになります。スプレッドを抑えるためには、以下のようなことを実践していくと良いでしょう。

その1:スプレッドの狭い取引所を利用する

スプレッドは利用する取引所によって大きく変わってきます。手数料を抑えようと思ったら、スプレッドの狭い取引所を選べば問題ありません。

その2:取引所を利用する

先ほど見てきたように、取引所とは、直接トレーダーと取引する場所となりますので、販売所とは異なり、スプレッドを支払う必要はありません。なかには、取引手数料がかからない業者もありますので、選ぶ際にはその辺りもチェックしておきましょう。

ただし、一点、気を付けなければことがあります。
取引所は、販売所と異なり、取引を成立させるためのユーザーが存在しなければ売買が不成立となってしまいます。有名な銘柄であればそれほど問題ありませんが、マイナー銘柄の場合には、取引相手が見つからず、売買成立しにくいのがネックとなります。

その3:いくつかの取引所を利用する

同じ通貨の取引であっても、スプレッドは利用する取引所によって異なってきます。よって利用できる取引所はいくつか抱えておくと良いでしょう。売買する通貨に応じて、どこで取引を行うと良いのかは、事前に確認しておくと、損をせずに取引が行えます。

その4:取引のタイミングを考える

もしも、スプレッドを抑えたトレードを行うのであれば、取引を行うタイミングに気を付けましょう。流動性が高いトレードにおいて、通貨が多く売買される時には、スプレッドも広がる傾向になります。それを見越して取引があまり行われていないおだやかな時を狙って取引を行いましょう。暴落・高騰が起きているタイミングに売買を行うと、手数料が無駄に発生して損をしますので注意しましょう。

その5:取引量の多い通貨を売買する

仮想通貨(暗号通貨)に限らず流通貨幣も同じですが、取引量の多い通貨は価格が安定しやすいのでスプレッドも同様に安定しがちです。しかし反対に取引量の少ない通貨はその価格も不安定になりがちです。初心者はできるだけ取引の量の多い通貨を取引するのが良いかもしれません。

自分にとって利用しやすい取引所を選ぶポイント

ここからは取引所を選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。

取り扱っている銘柄が多い取引所を選ぶ

取り扱い銘柄の多さはやはり、選択の際にポイントなります。どんなにスプレッドが狭くても、取引したいような通貨がなければ利用する価値はありません。メジャーどころであればそれほど心配する必要はないとはいえ、事前にどこで何を扱っているかは確認する必要があります。

セキュリティがしっかりしているかどうか

仮想通貨(暗号通貨)取引において、セキュリティの強さも重要です。実のところ、取引所は資金が集まっていることがわかっていることもあって、ハッカーに狙われやすいのです。そのため自己資産を守る意味でも、可能な限りセキュリティ面のしっかりした取引所を選びましょう。昨今は電子商取引の機会も増えているので、ネット上のセキュリティは以前に比べると強固なものとなってきましたが、それでも不安は募りますので、事前に確認しておきましょう。

取引方法が自分のスタイルに合っているか

取引所によって利用可能な取引スタイルは異なります。よって必ず自分の取引スタイルにあった取引所を選びましょう!

スマホアプリが使いやすいかどうか

最近では、ほとんどの取引所でスマホからのアクセスが可能な、仮想通貨(暗号通貨)用のアプリがリリースされています。仮想通貨取引はPCの前で行っていくトレードというよりも、短期間の価格変動を見ながら取引するものですので、スマホで逐一チェックできる環境は絶対です。その際にアプリが使いにくければ、スピーディーに取引が行えないケースが出てきてしまい、損失を出してしまうかもしれません。当然、機能面やデザインは取引所によってそれぞれ異なってくるので、1つの取引所に限定するのではなく、いくつか試してみたうえで、利用しやすいアプリを選択するのがベストです。

経営状態が安定しているかどうか

仮想通貨(暗号通貨)取引所は経営状態が悪くなれば倒産してしまう可能性があります。もし倒産してしまえば、取引ができなくなるだけではなく、現在保有している仮想通貨(暗号通貨)がなくなってしまうかもしれません。そうなるとせっかく得た利益もパーです。会社自体がしっかりしているかどうかは、企業の公式サイトや口コミ情報、などを頼りに、自己判断となりますが、怪しい取引所は使用しないようにしましょう。ネットの情報がすべてではないとはいえ、火のない所に煙は立たぬというように、怪しいうわさを見かけたら、その情報が正しいかどうかはチェックしておきましょう。